医学教育研究者・総合診療医のブログ

医学教育、総合診療について気ままに綴ります。

Mentoring is in the 'I' of the beholder: supporting mentors in reflecting on their actual and preferred way of mentoring (BMC Med Educ 2022)

Loosveld LM, Driessen EW, Vanassche E, Artino AR Jr, Van Gerven PWM. Mentoring is in the 'I' of the beholder: supporting mentors in reflecting on their actual and preferred way of mentoring. BMC Med Educ. 2022;22:638.

背景:医療専門職教育におけるメンターの専門的な能力開発を支援するための重要な戦略は、彼らが何をし、なぜそれをし、どのようにそれを行うかについての批判的な内省を促すことである。メンタリングの「やり方」だけでなく、メンタリング実践の基本となる暗黙知や信念(メンターの個人的な解釈の枠組み)もカバーする必要がある。本研究では、メンターが、実際のメンタリングのやり方と、自分が好むメンタリングのやり方との違いをどの程度認識しているかを分析した。

方法:MERIT(MEntor Reflection InstrumenT)調査(2020年配布、N=228)を用い、メンターに対して、(1)実際のメンタリング実践について、(2)望ましいメンタリング実践について、という2つの回答モードで、メンタリングの方法、内容、理由について質問した。共分散分析により、これらの回答間の潜在的な不一致が、経験、メンターの職業、カリキュラムに縛られた評価要件に影響されるかどうかを検討した。

結果:MERITスコアの平均値、およびサブスケール「自己啓発の支援」と「成績のモニタリング」の平均値は、実際のメンタリングよりも望ましいメンタリングの方が有意に高いことが示された。さらに、メンターの経験はこれらの得点と有意に相互作用し、経験年数が長くなるほど、実際の得点と好ましい得点の差は小さくなった。

結論:メンターは、メンタリングに対する実際のアプローチと好ましいアプローチについて振り返ることができる。この分析、および実際のメンタリングと好ましいメンタリングの間の潜在的な不一致は、個人の専門的な開発軌道のためのインプットとして役立つことが期待される。