医学教育研究者・総合診療医のブログ

医学教育、総合診療について気ままに綴ります。

"We've Really Built Something": Why Family Medicine Program Directors Stay in Their Positions-A Qualitative Study (J Grad Med Educ 2022)

Fernald DH, Hester CM, Brown SR. "We've Really Built Something": Why Family Medicine Program Directors Stay in Their Positions-A Qualitative Study. J Grad Med Educ. 2022;14:451-457.

背景:プログラム・ディレクター(PDs)は、米国で認定されている12,000以上のレジデントおよびフェローシッププログラムに不可欠な存在である。PDの在職期間が短いと、プログラム全体の質に影響を及ぼす可能性がある。PDsがその職を離れる理由は多因子にわたっており、PDsがその職にとどまる理由についてはほとんど知られていない。著者らは、家庭医療のPDsが長期にわたってその職に留まる理由と、留任に関連する要因を調査した。

方法:本研究は、家庭医療研修PDsの全国サンプルから抽出した、12年以上その職務に就いているPDをs対象とした、質的研究である。2020年10月と11月に、長期PDの経験に関する半構造化質問と構造化質問によるインタビューを実施した。複数サイクルの比較コーディングとコードネットワーク分析により、一部のPDsが長期的にその職に留まる理由を説明する構成要素が得られた。

結果:平均在職期間17.4年の17人の回答者のなかで、PDsを支える3つの相互に関連する構成要素(プログラムの開発、サポートシステム、仕事のやりがい)が一貫して浮かびあがってきた。プログラムの開発は、内外のサポートシステムを強化し、仕事のやりがいを高める。強力なサポートシステムは、さらなるプログラムの開発と仕事のやりがいを可能にする。

結論:12年以上勤務している家庭医療研修PDsは、継続的にプログラムの開発に取り組み、内外の強力なサポートシステムから恩恵を受け、その役割を維持するのに役立つこの職の多くの重要な報酬について述べている。