医学教育研究者・総合診療医のブログ

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Unifying and universalizing Personalised Care? An analysis of a national curriculum with implications for policy and education relating to person-centred care (Patient Educ Couns 2022)

Entwistle VA, Cribb A, Mitchell P, Walter S. Unifying and universalizing Personalised Care? An analysis of a national curriculum with implications for policy and education relating to person-centred care. Patient Educ Couns. 2022 Jul 5:S0738-3991(22)00301-9. Epub ahead of print.

背景:本研究の目的は、個人中心の実践を促進するための国家的な取り組みとして、イングランドのPersonalised Care Instituteのカリキュラムを検討することである。

方法:カリキュラムの内容と談話の分析。

結果:カリキュラムは、パーソナライズド・ケアのアプローチを統一し、その提供を普遍化することを目指す教育的枠組みを記述している。カリキュラムは、パーソナライズド・ケアの「全体」の中で、8つの「モデルとアプローチ」、6つの「構成要素」を提示している。そして、その統一性は、専門的能力と価値観の根底にある共通のコア・レパートリーと、人々の強み、機知、適切な支援を受けて自ら解決策を見出す能力に対する信念にあると位置づけている。このカリキュラムは、パーソナライズド・ケアの提供の複雑さを示しているが、この概念の理論的な一貫性については、未解決のままである。また、個人中人の重要な側面(特にエンパワーメントや選択を超えた価値観)、根強い社会的不平等や制度的偏見の意味、その他医療従事者にとって困難な実践的・倫理的な実施上の課題も無視されている。

結論:このカリキュラムは、個人中心の実践に対する国のコミットメントを示すものであるが、その実践的な可能性は、関係する価値の緊張と多様な状況的課題を軽視していることによって制限されるものである。このカリキュラムと同様の政策教育イニシアティブは、人間中心の実践の規範的な複雑さにもっと明確に注意を払うことで強化されるであろう。