医学教育研究者・総合診療医のブログ

医学教育、総合診療について気ままに綴ります。

How do foundation year and internship experience shape doctors' career intentions and decisions? A meta-ethnography (Med Teach 2022)

Zhao Y, Mbuthia D, Blacklock C, Gathara D, Nicodemo C, Molyneux S, English M. How do foundation year and internship experience shape doctors' career intentions and decisions? A meta-ethnography. Med Teach. 2022 Aug 9:1-14. Epub ahead of print.

背景:Foundation yearsやinternshipsは、若手医師にとって知識を応用し、臨床能力を獲得するための重要な期間である。Foundation yearsやinternshipsで得た経験は、新米医師のキャリア継続に関する意見に影響を与える可能性が高い。我々は、医師がインターンシップを経験することが、キャリア形成の意図や意思決定にどのような影響を与えるかを理解することを目的とした。

方法:メタエスノグラフィーを用いて定性的なエビデンスの統合を行った。2000年から2020年の間に出版された論文を6つの電子書誌データベースで検索し、移住、public/private/dual practice preference、地方・都市志向、専門科選択との関連など、foudation yearsやinternship経験が医師のキャリア志向・決定にどのように影響するかを調べた論文を対象とした。GRADE-CERQualの枠組みを用い、レビュー結果の信頼度を評価した。

結果:6085件の引用文献のうち23件を調査した。以下の、相互に関連する三つの高レベルのテーマを14の概念カテゴリーにわたって抽出した。(1)実地体験や実生活を通して、臨床的にも一般的にも自分に最も合うものを決める(どの選択肢が「より自分らしい」か) (2)職場規範の探求、体験、目撃 (3)雇用市場政策、将来の訓練、専門能力開発の機会などの観点から将来について心配する。調査結果に対する信頼度は様々であったが、8つの概念カテゴリーで高い評価を得た。

結論:メタエスノグラフィーのレビューにより、インターンシップの経験が医師のキャリア志向・決断を形成する様々な方法が明らかになり、この現象に関する幅広い概念モデルを作成することができた。その結果、人気のない専門分野や最も必要とされている勤務地に医師を惹きつけるためには、十分かつ前向きで刺激的な臨床経験を確保し、職場環境、人間関係、文化を改善し、特定の専門性を損なうことを控え、契約や雇用市場の方針を若い医師に早い段階で伝えることの重要性が浮き彫りにされた。私たちは、この概念モデルを、さまざまな文脈での新たな研究においてさらに検証することを提案する。