医学教育研究者・総合診療医のブログ

医学教育、総合診療について気ままに綴ります。

Effects of COVID-19 on Residency and Fellowship Training: Results of a National Survey (J Grad Med Educ 2022)

Hogan SO, Holmboe ES. Effects of COVID-19 on Residency and Fellowship Training: Results of a National Survey. J Grad Med Educ. 2022;14:359-364.

背景:COVID-19パンデミックは、卒後医学教育(GME)を含むアメリカのヘルスケアのあらゆる側面に影響を及ぼしている。先行研究によると、COVID-19は、選択的手術の機会の減少、患者数の減少、臨床ローテーションの変更、遠隔医療への依存の増加、およびバーチャル教学会議への依存をもたらしたとされている。しかし、これらの研究は、個々の専門分野に焦点を当てたものである。卒後医学教育認定評議会(ACGME)は、日常的にすべてのプログラムから情報を収集しているため、これらのデータを使用して、GMEに影響を与える重要な傾向について専門家に知らせる義務がある。本研究の目的は、パンデミックは、臨床経験、遠隔医療、および長期研修の分野において、すべての専門プログラムの研修にどのような影響を与えたかを説明することである。

方法:ACGMEは、全認定プログラムの年次更新報告要件を補完するための質問票を検証した。質問票は、説明、質問文、回答選択肢を容易に解釈できるように、また回答者の負担を評価するためにテストされた。アンケートは、ACGMEとACGME認定プログラム間のコミュニケーションのためのパスワードで保護されたオンライン環境であるAccreditation Data Systemを介して実施された。

結果:回答率は99.6%(12420名中11290名)であった。救急医療、家庭医療、内科、産科・婦人科のプログラムが最も大きな影響を受けた。ほとんどのプログラムでは、対面での講義や外来での継続的なローテーションの機会が減少したと報告された。COVID-19のケアの「最前線」にある病院を拠点とするプログラムでは、遠隔医療への依存度が最も低くなっている。家庭医療と内科学のプログラムが、最も多くの延長研修を行った。

結論:COVID-19はGMEトレーニングに影響を与えたが、その影響はプログラムの種類や国内の地域によって偏りがある。