医学教育研究者・総合診療医のブログ

医学教育、総合診療について気ままに綴ります。

A systematic scoping review of communication skills training in medical schools between 2000 and 2020 (Med Teach 2022)

Venktaramana V, Loh EKY, Wong CJW, Yeo JW, Teo AYT, Chiam CSY, Foo DJM, Teo F, Liang J, Raveendran V, Chng LCL, Xiao S, Chong K, Quek SL, Chiang CLL, Toh RQE, Ng CWH, Lim EG, Leong S, Tay KT, Chan A, Chia EWY, Tan LHS, Ong YT, Sheri K, Ng JX, Chin AMC, Zhou JX, Chiam M, Lee ASI, Mason S, Krishna LKR. A systematic scoping review of communication skills training in medical schools between 2000 and 2020. Med Teach. 2022 Jun 2:1-10. Epub ahead of print.

背景:コミュニケーション・スキル・トレーニング(CST)は、その重要性にもかかわらず、メディカルスクールではまだ十分に説明されておらず、優先順位も低い。CSTの構造、内容、評価における現在のばらつきをよりよく理解するために、CSTの系統的スコーピングレビュー(SSR)が提案されている。これは、メディカルスクールのカリキュラムにおける将来の設計の指針とするためである。

方法:CSTの教育と評価に関する同時進行のSSRを導くために、系統的エビデンスに基づくアプローチ(SEBA)を使用した。独立したデータベース検索の後、含まれる論文のテーマ分析と内容分析を別々に行った。その結果得られたテーマ/カテゴリーをジグソー視点で組み合わせ、より全体的なデータの見方を提供した。そして、これらを収録論文の表形式サマリーと比較し、funnelled domainsを作成した。

結果:52,300件の論文が抽出され、150件のフルテキスト論文が含まれ、4つのfunnelled domainsが特定された:CSTの適応、デザイン、評価、障壁と実現要因である。CSTは、医師と患者に多くの利益をもたらす。それは、自信の向上、診断能力の向上、より良い臨床管理、さらには患者の満足度や治療へのコンプライアンスの向上を見たものである。スキルは、中核となる必須コンピテンシーと、より困難で微妙なシナリオに関連する上級スキルに分けられるかもしれない。CSTの指導と評価の方法は、ミラーのピラミッドと一致しており、教則的な指導に徐々に経験的なアプローチを取り入れることで、理解と統合を高めていくことが分かっている。CSTのフレームワーク、教授法、評価法が多数確認されたので、まとめて紹介する。

結論:メディカルスクールにおけるCSTは、アプローチ、内容、評価において多様であるが、メディカルスクール教育を通じて複雑性を増すコンピテンシー・ベースのテーマを浸透させるために、ステージ・ベースのカリキュラムを採用することが多い。このプロセスは、これまでの知識やスキルの応用を基礎とし、実践や、潜在的には学生のプロフェッショナル・アイデンティティ形成に影響を与える。さらに、教育機関は、学生の長期的な指導と全体的な進歩の評価を保証し、トレーニングを監督する重要な役割を担っている。