医学教育研究者・総合診療医のブログ

医学教育、総合診療について気ままに綴ります。

Management reasoning scripts: Qualitative exploration using simulated physician-patient encounters (Perspect Med Educ 2022)

Cook DA, Stephenson CR, Gruppen LD, Durning SJ. Management reasoning scripts: Qualitative exploration using simulated physician-patient encounters. Perspect Med Educ. 2022 Jun 2. Epub ahead of print.

背景:management reasoningはdiagnostic reasoningとは異なるものであり、依然として不完全に理解されている。著者らは、management reasoningの概念を実証的に調査することを目指した。

方法:2020年11月に、4名の研究者がそれぞれ外来医師と患者の模擬的なencountersのビデオクリップ10本をレビューし、コーディングフォームを用いてmanagement reasoningに関する観察を文書化した。チームは定比較分析を用いて、経験的に根拠づけられた洞察を、認知スクリプトおよびタイプ1/タイプ2思考に関連する理論と統合した。

結果:management scriptsは、managementの選択肢および臨床医の作業を時間的または論理的順序で表し、結びつける、あらかじめコンパイルされた概念的知識構造である。management scriptsはillness scriptsと大きく異なるようである。管理スクリプトは、質(内容、順序、柔軟性、および流暢さ)および一般性においてさまざまであった。著者らは、management scriptsの6つの主要な特徴(構成要素)を経験的に同定した:「問題(診断)」「managementの選択肢」「好み、価値、制約」「教育の必要性」「相互作用」「encouterの流れ」である。著者らは、management計画の開発を導くために、スクリプトの活性化、選択、ケース固有の詳細によるインスタンス化、および適用を記述する発見的枠組みを提案する。さらに、management reasoningには、タイプ1(非分析的、effortless)とタイプ2(分析的、effortful)の両方の思考が反復的かつ往復的に関与していることを提案する。タイプ1の思考は、おそらく最初のスクリプトの活性化、選択、および最初のインスタンス化に影響を与える。タイプ2の思考は、活性化、選択、および実行がより意図的(effortful)になり、より仮説的(精神的シミュレーションを含む)になるにつれて、その後のスクリプトの修正にますます影響を及ぼす。

結論:management scriptsはmanagement reasoningの重要な特徴を構成しており、clinical reasoningのトレーニングの新しいターゲットとなりうる(疾病スクリプトとは異なる)。