医学教育研究者・総合診療医のブログ

医学教育、総合診療について気ままに綴ります。

The Best Laid Plans? A Qualitative Investigation of How Resident Physicians Plan Their Learning (Acad Med 2022)

Branzetti J, Commissaris C, Croteau C, Ehmann MR, Gisondi MA, Hopson LR, Lai KY, Regan L. The Best Laid Plans? A Qualitative Investigation of How Resident Physicians Plan Their Learning. Acad Med. 2022 May 24. Epub ahead of print.

背景:Adaptive expertise(AE)は、将来の医師が育成すべき重要な特性であることが指摘されている。4段階のMaster Adaptive Learner(MAL)概念モデルは、AEを育成するために必要な学習スキルと行動を記述したものである。先行研究では、学習の初期計画段階でMALが使用するスキルと行動が明らかにされているが、ほとんどのレジデント学習者はMALではないと考えられている。本研究では、このような大多数の「典型的」な学習者がどのようにAEを発達させるのか、学習計画段階で使用するストラテジーを探ることにより調査した。

方法:参加者は、米国の4つの学術医療センターにある卒後医学教育(GME)研修プログラムのレジデントであった。参加者は2021年に半構造化個人インタビューに参加し、面接記録はグラウンデッド・セオリーの定比較分析で分析された。

結果:8つの専門分野を代表する14人の対象者がインタビューを受け、152ページの分析用トランスクリプトが作成された。3つのテーマが確認された。「典型的な」学習者は、構造化された卒前医学教育(UME)の学習から構造化されていないGMEの学習への移行に挑戦していること、この移行を容易に乗り切るために必要なスキルを持っていないこと、学習スキルを開発するために試行錯誤に依存していること。

結論:参加者は、メディカルスクールからレジデントへの移行時に遭遇する体系的な問題に対処するための学習戦略を試行錯誤で見つけ出していた。これらの努力の成功(または失敗)は、学習者の自己調整学習概念であるagency、メタ認知的目標設定、動機付けの効力と結びついていた。これらの要因がレジデントの適応的学習能力に及ぼす影響を説明する概念モデルが提供され、適応的学習スキルと行動を育成する教育者の努力に役立つ実用的な提言が提供された。また、これらの知見は、これまで欠けていたMALモデルの妥当性を示す貴重な証拠となった。