医学教育研究者・総合診療医のブログ

医学教育、総合診療について気ままに綴ります。

Understanding the Influence of the Junior Attending Role on Transition to Practice: A Qualitative Study (J Grad Med Educ 2022)

Dunbar-Yaffe R, Wu PE, Kay T, Mylopoulos M, McDonald-Blumer H, Gold WL, Stroud L. Understanding the Influence of the Junior Attending Role on Transition to Practice: A Qualitative Study. J Grad Med Educ. 2022;14:89-98.

背景:ジュニア・アテンディング(Junior Attending: JA)の役割は、研修の最終年度によく行われる教育モデルであり、very senior residentが監督下でアテンディングの責任を引き受けるというものである。しかし、このモデルの構造には異質なものがあり、自立した診療への移行をどのように促進するかについてのデータは不足している。著者らは、JAの役割の価値と、成功するための要因を明らかにすることを目的とした。

方法:著者らは、構成主義的なグラウンデッド・セオリー分析アプローチに基づく集合的事例研究を行った。2017年から2020年にかけて、(1)最高責任医師JA役(一般内科)、(2)コンサルタントJA役(感染症・リウマチ)の2つのケースで20回の半構造化インタビューを実施した。参加者は、JA役割を経験した新卒者、指導するアテンディング、その役割を経験・指導していないレジデント・指導医であった。

結果:JAの役割を経験することは、レジデントの自信を高め、主に非医学的専門領域での自立した診療への移行を支援し、臨床的不確実性に対処するための安心感を与える可能性がある。指導するアテンディングとJAの関係は重要な成功要因であり、JAの自律性を保持し、チームリーダーとしてのJAの地位を正当化する明確な目標と役割の定義が確立されている場合、より生産的な経験が報告されている。

結論:JAモデルは、主要な成功要因が存在する場合、自立した診療への移行を支援するうえで有望である。