Ferreira GE, Elkins MR, Jones C, O'Keeffe M, Cashin AG, Berea RE, Gamble AR, Zadro JR. Reporting characteristics of journal infographics: a cross-sectional study. BMC Med Educ. 2022;22:326.
背景:インフォグラフィックスは、研究成果を発表し、研究が受ける注目を高めるための方法として、ますます人気が高まっている。多くの科学雑誌がインフォグラフィックスを利用して、掲載する研究の認知度や取り込みを高めているように、インフォグラフィックスは医学教育においても重要なツールとなっている。しかし、このようなインフォグラフィックスが、研究対象、介入、比較対象、アウトカムの適切な説明、方法論の限界、有益性と有害性の数値的推定値など、データを有用に解釈するために必要な重要な特性を伝えているかどうかは不明である。本研究では、ピアレビューされた健康・医療研究雑誌に掲載されたインフォグラフィックスが、臨床研究を有用に解釈するために必要とされる主要な特徴を含んでいるかどうかを説明した。
方法:この横断的研究では、Journal Citation Reportsデータベースに掲載されている医学・健康研究分野のうち、独自の35分野の上位5分位に掲載されている査読付き学術誌を特定した。2人の研究者が、インフォグラフィックスの存在についてジャーナルをスクリーニングした。インフォグラフィックスとは、研究結果をグラフィカルに視覚的に表現したものと定義した。各ジャーナルに掲載された最新のインフォグラフィックのうちス、2つのサンプルからデータを抽出した。結果は、研究対象、介入、比較対象、アウトカム、ベネフィット、有害事象、効果推定値と精度、群間差、利益相反などの主要な特徴を報告し、バイアスのリスク、証拠の確実性、研究の限界、研究の主要アウトカムに基づいて結論を出したインフォグラフィックの割合であった。
結果:69誌から129のインフォグラフィックスを収録した。ほとんどのインフォグラフィックスは、母集団(81%)、介入(96%)、比較対象(91%)、アウトカム(94%)について記述していたが、母集団(26%)、介入(45%)、比較対象(20%)、アウトカム(55%)について、論文を参照せずに研究の構成要素を理解するのに十分な情報を含んでいたものは少なかった。また、インフォグラフィックスの中でバイアスのリスクについて言及しているものはわずか2%であり、利益相反を宣言している69件の研究のうち、インフォグラフィックスのなかでバイアスのリスクを開示しているものはなかった。
結論:インフォグラフィックスの多くは、研究の特徴、結果、バイアスの原因など、読者が研究結果を解釈するのに十分な情報を報告していない。我々の結果は、インフォグラフィックスで提示される情報の質を向上させるための取り組みに役立つものである。