医学教育研究者・総合診療医のブログ

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Development and psychometric testing of a scale measuring caring behaviors for healthcare students and providers (Med Educ Online 2022)

Liao HC, Huang CY, Wang YH. Development and psychometric testing of a scale measuring caring behaviors for healthcare students and providers. Med Educ Online. 2022;27:2066496.

背景:本研究は、台湾の医療従事者を対象としたcaring行動尺度(caring behavior scale on healthcare students and providers; CBS-HSP)を開発し、その心理測定学的特性を評価することを目的としたものである。

方法:文献レビューを実施し、項目作成のために専門家委員会に相談した後、CBS-HSP尺度の104項目が、9が「極めて重要」、1が「極めて重要でない」を示す9段階のLikertスケールで導出された。その後、さらなるデータ分析のために、台湾の医療系学生および医療従事者748名を対象にパイロット調査を実施した。本研究で使用した統計ソフトは、探索的因子分析(EFA)にSPSS、確証的因子分析(CFA)にAMOSであった。また、尺度の心理学的特性を検討するため、本研究では、内的一貫性、収束妥当性、判別妥当性、モデル適合指数を算出した。

結果:EFAの結果、「支援と気配り」(11項目、説明される分散の48.714%)、「専門知識と技能」(8項目、説明される分散の8.226%)、「満足なニーズと対応」(7項目、説明される分散の5.236%)、「機密性と信頼」(5項目、説明される分散の3.566%)の4因子31項目を導き出し、全体の分散の65.742%を説明することができた。4つの下位尺度と全体尺度のクロンバッハアルファは0.894から0.964の範囲であった。CFAの結果、同じ31項目、同じ4因子が得られた。CFAの結果、χ2/df比(1.242)、GFI(0.988)、CFI(0.988)、TFI(0.985)、RMSEA(0.031)で良好から優れたモデル適合が示された。クローンバック・アルファは0.866から0.971の間であり、compositeアルファは0.854から0.964の間であった。また、収束的妥当性、判別的妥当性からも、CBS-HSP尺度の安定性が証明された。

結論:本研究の結果、開発したCBS-HSPは、医療従事者と学生のcaring行動を測定するための信頼性の高い尺度であることが示唆された。