医学教育研究者・総合診療医のブログ

医学教育、総合診療について気ままに綴ります。

Physician gaze shifts in patient-physician interactions: functions, accounts and responses (Patient Educ Couns 2022)

Jongerius C, Hillen MA, Romijn JA, Smets EMA, Koole T. Physician gaze shifts in patient-physician interactions: functions, accounts and responses. Patient Educ Couns. 2022 Mar 4:S0738-3991(22)00093-3. Epub ahead of print.

背景:医師が患者に向ける視線は、診察の基本である。しかし、電子カルテ (Electronic Health Records (EHR))の利用は、医師の患者への視線に影響を与え、この相互作用に負の影響を与える可能性がある。我々は、医師が患者からEHRに視線を移す際の会話パターンを研究することを目的とした。

方法:外来患者の診察(N = 8)をアイトラッキングで記録した。医師のコンピュータへの視線移動に伴う相互作用を記録した。

結果:医師の視線移動は、話題の転換やEHRへのデータ入力など、さまざまな相互作用の機能を持つことがわかった。さらに、医師は視線移動をどのように説明するか、すなわち、暗黙的および明示的の両方において異なる。第三に、患者は視線移動を自分の番を続けるかどうかの意思表示として扱うかどうかで異なる。

結論:我々の結果は、医師の視線移動は、その機能、説明の仕方、会話に与える影響において様々であることを示唆している。今後の研究では、視線と患者の転帰を関連づける際に、その違いを考慮する必要がある。
医師は自分の視線行動の相互作用的文脈を意識することがある。患者は様々なタイプの視線移動に対して異なる反応を示す。したがって、医師が視線移動をどのように扱うかは、相互作用に異なる結果をもたらす可能性がある。