医学教育研究者・総合診療医のブログ

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The Medical Community's Evolving Focus on Physician and Surgeon Pregnancy: Thematic Trends From a Scoping Review (Acad Med 2022)

Hanchuk S, Casilla-Lennon M, Zheng S, Kim DD, Press B, Nguyen JV, Grimshaw A, Leapman MS, Rickey LM, Cavallo JA. The Medical Community's Evolving Focus on Physician and Surgeon Pregnancy: Thematic Trends From a Scoping Review. Acad Med. 2022 Feb 15. Epub ahead of print.

背景:著者らは、医師や外科医の妊娠に関する医学界の研究の変遷を、関連する社会政治的な出来事との関連で、文献のテーマ別の傾向を調査することによって記録することを目的とした。

方法:コクランライブラリー、Google Scholar、Ovid MEDLINE、Ovid Embase、Scopus、Web of Science Core Collectionにおいて、医師(外科医を含む)、妊娠、家族休暇に関する語彙や用語を用いて、開始から2020年8月11日までのスコープレビューを実施した。研究集団は、すべての医師専門分野と外科専門分野のみ、またすべてのキャリアレベルと研修生のみで分類された。サブテーマとテーマは、それぞれ医師の妊娠に関する先験的な仮定に基づき、既報のレビューから外挿した。テーマ別の傾向は、出版年ごとの出版物の総数、テーマとサブテーマの頻度をプロットすることで分析した。

結果:タイトル・抄録および全文レビューの結果、407本の論文が収録基準を満たした。医師の妊娠に関する論文は1960年代に初めて出現し、1988年から1996年まで、そして2010年から2019年にかけて再び急増した。外科医の妊娠に特化した最初の論文は1991年に発表され、その後の外科医の妊娠に関する出版頻度の傾向は、量は減るものの、すべての医師の妊娠に関する出版物と概ね平行していた。妊娠が医師と同僚に与える影響、妊娠中の医師の労働生産性、医師の出産休暇政策、医師の母体・胎児健康アウトカムという4つの主要なテーマが見いだされた。

結論:女性医師の増加や社会政治的環境の変化に伴い、医師の妊娠に関する文献のテーマも変化してきた。医師の妊娠にポジティブな影響を与える決定的なエビデンスに基づく勧告を策定するためには、多施設の前向き観察研究が必要である。