Toraman Ç, Karadağ E, Polat M. Validity and reliability evidence for the scale of distance education satisfaction of medical students based on item response theory (IRT). BMC Med Educ. 2022;22:94.
背景:本研究の目的は、メディカルスクールで学ぶ学生の遠隔教育に対する満足度を測定するために作成した尺度から得られたデータの妥当性と信頼性の根拠を、項目反応理論(item response theory; IRT)に基づき明らかにすることである。
方法:本研究は、尺度開発におけるIRTと測定不変性の根拠を探る量的研究である。IRTの根拠が探索された尺度は、遠隔教育満足度尺度(Distance Education Satisfaction Scale; DESS)であった。データは、様々な大学で学ぶ医学生1332名から得た。データは、確証的因子分析(CFA)、多次元および一次元IRT、測定不変性を用いて分析された。
結果:DESSには、3つの下位因子を持つ20項目の構成要素が見出された。この構成要素は、多次元IRT分析では反復限界を通過することができなかった。そこで、3つの下位因子が局所的に独立であると仮定し、一次元IRTを用いた。
結論:最も情報量の少ない項目は、第1因子の項目23、24、25、第2因子の項目3、第3因子の項目13、18であった。DESSの最も情報量の多い項目は、遠隔教育の満足度に関して文献で強調されている特性である、意味のある内容を持ち、教育者サポートを提供できる適応的で有用な表現を持っているものであった。性別に基づいて行われた測定不変性検定では、DESSは文献で推奨されている構成不変性、計量不変性、スカラー不変性、厳密不変性に必要な適合指数を満たし、測定不変性を満たしていることが明らかになった。この結果から、DESSを用いた性別による比較は可能であることが示された。