医学教育研究者・総合診療医のブログ

医学教育、総合診療について気ままに綴ります。

A Document Analysis of Nationally Available Faculty Assessment Forms of Resident Performance (J Grad Med Educ 2021)

French JC, Pien LC. A Document Analysis of Nationally Available Faculty Assessment Forms of Resident Performance. J Grad Med Educ. 2021;13:833-840.

背景:レジデントのパフォーマンスに対する教員による書面でのフィードバックは、学習のための評価に基づく要素が含まれていれば、価値あるものとなる。しかし、総括的・形成的フィードバックにこれらの要素がどの程度含まれているかは明らかではない。
本研究の目的は、調査研究方法論 (survey research methodology)、自己規制理論 (self-regulation theory)、およびコンピテンシーベースの評価におけるベストプラクティスに基づき、教員によるレジデントのパフォーマンス評価のためのフォームに使用されているプロンプトを分析することである。

方法:MedHub で公開されている全国の評価用紙について、文書分析(文章の内容と構造を分析する定性的アプローチ)を行った。書式数の関係で、内科と外科のみを対象とした。評価を分析するために、文書要約フォームが作成された。この要約フォームは、研究者が分析を行う際のガイドとなる。

結果:48のフォームがレビューされ、それぞれがユニークな研修プログラムからのものであった。すべてのフォームにコメント欄があり、54%が評価の完了にこのテキストボックスを必須としていた。83%の評価では、テキストボックスをフォームの末尾に配置していた。3分の1のフォームでは、ナラティブセクションに「コメント」というシンプルなプロンプトが含まれていた。15%のフォームには、フォームの情報がレジデントと議論されたかどうかをチェックするボックスが含まれていた。50%の評価は、その性質上、形成的なものなのか総括的なものなのかが不明確であった。

結論:評価フォームの文書分析により、評価フォームは必ずしもナラティブセクションの調査設計のベストプラクティスに従っておらず、また自己規制の促進および能力に基づく評価にとって重要と考えられる要素に普遍的に対処していないことが明らかになった。