医学教育研究者・総合診療医のブログ

医学教育、総合診療について気ままに綴ります。

Discussing care decisions at the internal medicine outpatient clinic: A conversation analysis (Patient Educ Couns 2021)

Briedé S, van Charldorp TC, Kaasjager KAH. Discussing care decisions at the internal medicine outpatient clinic: A conversation analysis. Patient Educ Couns. 2021 Dec 1:S0738-3991(21)00776-X. Epub ahead of print.

背景:本研究の目的は、内科外来での診察時に、ケアの決定がいつ、どのくらいの頻度で、どのように話し合われているかを調べ、そこから何を学ぶかを検討することである。

方法:ビデオ撮影された150名の診察の質的分析。会話分析により、治療方針の決定に関わる相談内容を分析した。

結果:1) 150件の診察のうち、ケアの決定についての議論が行われたのは21件のみであった。 2) ケアの決定という話題の導入には予定された段階がないため、「病気の治療と経過」の段階の最後に導入されることが多い。 3) 共通基盤を作り、関連性を明確にするために多くの正当化を伴う対話的努力が必要である。躊躇マーカー、修復、仮説トークは、この話題の不安定さを示している。

結論:3つのジレンマに対処する必要がある。1) ケアの決定というトピックを導入するためのスロットを作らなければならない、 2) 共通基盤を、おそらく時間をかけて作らなければならない、 3) 「将来的に」関連するトピックであるが「現在議論する必要がある」というフレーミングパラドックスに注意を払う必要がある、である。我々は、医師のトレーニングが3つのジレンマに対処することを推奨する。今後の研究は、そうする方法に焦点を当てるべきである。