医学教育研究者・総合診療医のブログ

医学教育、総合診療について気ままに綴ります。

Equity in medical education: Addressing microaggressions and discrimination on the wards (Med Teach 2021)

Sandoval RS, Dunleavy S, Afolabi T, Said JT, Connor J, Hossain A, Kassamali B, Kienka T, Srinivasan M, Cheng A, Ölveczky D, Chatterjee A. Equity in medical education: Addressing microaggressions and discrimination on the wards. Med Teach. 2021 Dec 3:1-8. Epub ahead of print.

背景:臨床環境におけるマイクロアグレッションや差別の事例に対処するための既存のフレームワークは、主に教員やレジデント向けに開発されており、医学生向けのリソースが不足している。

方法:マイクロアグレッションを認識して対応するために、臨床前の医学生/歯科医師を対象としたワークショップを実施した。2018年から2020年までの3つのコホートの参加者は、ワークショップの前後でアンケート調査を行い、臨床でのマイクロアグレッションへの曝露のprevalenceと、マイクロアグレッションに対処するために一般的に認識されている障壁を軽減するためのワークショップの効果を評価した。

結果:参加した医学部・歯学部の1年生461名のうち、321名(69.6%)がアンケートに回答した。80%以上の学生がマイクロアグレッションを経験していると回答し、そのなかでも女性とURMの学生の割合が高かった。ワークショップ終了後、参加者は、マイクロアグレッションや差別に対処する際の障壁が大幅に減少したと報告した。これには、事件を認識すること、何を言うべきか、何をすべきかが不明であること、味方がいないこと、組織の方針に精通していないこと、臨床上の関連性が不明であることなどが含まれている。このワークショップは、対面式でも仮想式でも同じような効果があった。

結論:医科歯科学生の回答者のほとんどが、臨床現場でマイクロアグレッシブな行為を経験したと報告しており、特に女性とURMの学生が多かった。私たちのワークショップは、マイクロアグレッションへの対応において認識されているほとんどの課題を軽減した。今後も、マイクロアグレッシブに対応するためのツールを学生に提供するために、様々な機関でワークショップを実施していく必要がある。