医学教育研究者・総合診療医のブログ

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Sleep and Alertness Among Interns in Intensive Care Compared to General Medicine Rotations: A Secondary Analysis of the iCOMPARE Trial (J Grad Med Educ 2021)

Cordoza M, Basner M, Asch DA, Shea JA, Bellini LM, Carlin M, Ecker AJ, Malone SK, Desai SV, Katz JT, Bates DW, Small DS, Volpp KG, Mott CG, Coats S, Mollicone DJ, Dinges DF. Sleep and Alertness Among Interns in Intensive Care Compared to General Medicine Rotations: A Secondary Analysis of the iCOMPARE Trial. J Grad Med Educ. 2021;13:717-721.

背景:インターンは、長時間かつ頻繁に交代する勤務スケジュールにより、睡眠不足に陥る危険性がある。しかし、特定のローテーションが睡眠に及ぼす影響はあまり明らかになっていない。本研究の目的は、集中治療室(ICU)ローテーションと一般内科(GM)ローテーションとで、内科インターンの睡眠時間と覚醒度の違いを比較して検討することである。

方法:この二次解析では、異なる労働時間制限ポリシー(標準的な16時間シフトまたはシフト長の制限なし)に割り当てられた12の内科研修プログラムのランダム化試験(2015~2016年)において、GMまたはICUのローテーション中のインターンを比較した。primary outcomeは、13日間の連続手首アクチグラフィーによる睡眠時間/24時間とした。secondary outcomeは、アクチグラフィーを併用した期間中の毎朝の眠気(カロリンスカ眠気尺度 [Karolinska Sleepiness Scale; KSS])、覚醒度(簡易精神運動性警戒テスト[Brief Psychomotor Vigilance Test; PVT-B]のラップ数)、過去24時間の過度の眠気の自己報告とした。ランダムプログラムinterceptを用いた線形混合効果モデルにより、年齢、性別、遵守している労働時間の方針をコントロールしながら、ローテーションによる各結果の関連性を求めた。

結果:398名のインターンのうち、386名が対象となった(n = 261 GM、n = 125 ICU)。平均睡眠時間はGMが7.00±0.08時間、ICUが6.84±0.10時間、PVT回数はGMが5.5±0.5回、ICUが5.7±0.7回であった(いずれもP > 0.05)。KSSは両ローテーションとも4.8±0.1であった。GMと比較して、ICUインターンは、午前12時から午前6時(2.6対1.7、P < 0.001)および午前6時から午後12時(2.6対1.9、P = 0.013)に過度の眠気を感じた日が多く、睡眠時間が6時間未満の日の割合が高かった(27.6%対23.4%、P < 0.001)。GMインターンは、過度の眠気を感じなかった日が多かった(5.3 vs 3.7, P < 0.001)。

結論:ICUインターンは、朝の時間帯に過度の眠気を感じ、睡眠時間が不十分な日(6時間未満)が多かったが、全体的な睡眠時間と覚醒度はローテーション間で有意な差はなかった。