Bourne E, Short K, Kenny B, McAllister L. Clinical educators can supervise students without increased stress: a study of interacting factors using insights from complexity theory. Adv Health Sci Educ Theory Pract. 2021 Sep 30. Epub ahead of print.
背景:医療現場で学生を監督することは複雑で、臨床教育者にとってはストレスになる。しかし、臨床教育者がストレスを感じないように学生の配置をデザインする方法は明らかになっていない。
方法:本研究では、複雑性理論 (complexity theory)に基づき、fuzzy set Qualitative Comparative Analysis (fsQCA)を用いて、言語聴覚士(SP)の実習において臨床教育者のストレスを増大させないための要因を探索した。因子の選択は、Demand-Control-Supportモデルと既存の文献を参考にした。
結果:臨床教育者がストレスを増大させないために必要な要因は一つではなかった。すべての要因の様々な組み合わせが、ストレスを増加させないための10のパスに見られた。これらの組み合わせには、合格した学生が含まれていることが多いが、複数のパスには、配置前に臨床教育者が調整できる他の要因が含まれていた。例えば、週に1回以上、学生がいない日があることは、ケースロードの処理能力が高いなど他の潜在的な課題があるにもかかわらず、ストレスを増やさないための4つのパスの要因となっていた。また、経験豊富な教育者は、他のサポート要因(例:症例数が少ない、同僚や上司からのサポートなど職場への関与)があり、4つのパスでストレスが増加しないと感じていた。
結論:臨床教育者のストレスを増加させない学生の配置には、複数の相互作用する要因を考慮する必要がある。複雑性理論の原則は、臨床教育者が個々の状況にどのように対応しているかについての洞察を提供し、その結果、同じような職場であっても、学生の配置の影響について異なる経験をすることになる。FsQCAは、臨床教育者がストレスを増大させることなく学生を監督する実践的な方法を紹介してきた。しかし、臨床教育や医療現場の複雑さを考えると、個々の臨床教育者が変更する場合は、他の要因と組み合わせて検討する必要がある。