医学教育研究者・総合診療医のブログ

医学教育、総合診療について気ままに綴ります。

Video remote interpreting in clinical communication: A multimodal analysis (Patient Educ Couns 2021)

Klammer M, Pöchhacker F. Video remote interpreting in clinical communication: A multimodal analysis. Patient Educ Couns. 2021 Aug 31:S0738-3991(21)00570-X. doi: 10.1016/j.pec.2021.08.024. Epub ahead of print. PMID: 34538684.

背景:本研究の目的は、言語不一致の臨床相談 (language-discordant clinical consultation)において、ビデオ遠隔通訳(VRI)の空間的条件と視聴覚的条件がどのようにコミュニケーション・インタラクションを形成するかを調査することである。

方法:本研究では、VRIを介して行われた本格的な診察を、空間的な配置、視聴覚的な条件、医療従事者の身体的なコミュニケーション資源(身体の向き、視線、ジェスチャー)の使用に焦点を当てて、マルチモーダル分析を行った。

結果:医師は、まず適切な空間的・技術的環境を整え、次に身体の向き、視線、ジェスチャーなどの非言語的(身体化された)資源や特定の順番管理行動を用いて、情報提供や関係構築の行動を支援することで、相談におけるコミュニケーションの目標を追求していることがわかった。

結論:VRIは、医療従事者が言語不一致の相談でプロの通訳者にアクセスすることを可能にするが、適切な技術的・空間的配置と、空間的・視聴覚的制約にコミュニケーション行動を適応させることのできるユーザーが必要である。
VRIは、電話通訳と並んで、COVID-19パンデミックの際に言葉の通じない臨床現場で選択されるソリューションである。VRIを使用するには、適切な技術的・空間的配置が必要であり、また、医療専門家が固有の視聴覚的制約に対処するための特定のスキルが必要である。