医学教育研究者・総合診療医のブログ

医学教育、総合診療について気ままに綴ります。

When patient-centred and family-centred approaches clash: Taiwanese health professions students' patient autonomy dilemmas (Adv Health Sci Educ Theory Pract 2021)

Wang X, Ho MJ. When patient-centred and family-centred approaches clash: Taiwanese health professions students' patient autonomy dilemmas. Adv Health Sci Educ Theory Pract. 2021 Aug 26. Epub ahead of print.

背景:本研究の主な目的は、異なるプログラムで学ぶ台湾の医療専門職学生が、学校文化と臨床文化の断絶によって引き起こされる、似たような患者の自律性に関連したプロフェッショナリズムのジレンマを経験しているかどうかを検証することである。

方法:我々は特に、状況的学習論 (situated learning theory)とその文化的概念を用いて、インタビューを通じて収集された、参加者のプロフェッショナリズムのジレンマの語りを検証した。

結果:インタビューを受けた79名の学生のうち、約半数の学生が学校文化と臨床文化の間の断絶によって引き起こされる患者の自律性に関するジレンマを経験しており、それは彼らの学習や感情的なwellbeingに大きな負の影響を与えていた。データからは、患者の自律性に関する、4つの主要なタイプのジレンマが浮かび上がってきた。また、学校文化と臨床文化が衝突した場合、後者の方が学生に大きな影響を与えることも明らかになった。

結論:このように、本研究では、台湾の学生が患者の自律性に関するジレンマに頻繁に遭遇することは、医療専門職の学生が学校文化と臨床文化の間で知識を伝達する際に直面する課題を浮き彫りにし、臨床文化が学生の行動や臨床上の意思決定により強い影響を与えることを論じている。この現象は、医療専門職教育を編成する際に考慮されるべきである。