Neel N, Maury JM, Heskett KM, Iglewicz A, Lander L. The impact of a medical improv curriculum on wellbeing and professional development among pre-clinical medical students. Med Educ Online. 2021;26:1961565.
背景：研修期間中の医学生のバーンアウトの発生率が高まっている。バーンアウトの悪影響を軽減するだけでなく、その発症を防ぐための努力がなされている。メディカル・インプロ (medical improv)は、即興劇 (improvisational theatre)の基本的な考え方を臨床の場に応用したものである。インプロは、自然発生的な性質に加え自己認識と内省に焦点を当てていることから、ストレス、バーンアウト、疲労の悪影響を防止・軽減する創造的なはけ口として機能する可能性があり、また、医師として成功するために必要なスキルを身につける学習環境を提供する可能性があると、我々は仮定した。
方法：カリフォルニア大学（UC）サンディエゴ校医学部は、臨床試験前の学生を対象としたメディカル・インプロのエレクティブを開発し、学生の成長とwellbeingに与える影響を評価した。カリフォルニア大学サンディエゴ校医学部で2019年秋から2020年秋の間にエレクティブに登録した学生を対象に、質的・量的手法を用いてコース終了前・後の調査を行った。
結果：学生は、メディカル・インプロのエレクティブの修了後に、職業キャリアにおける積極性 (3.15 → 4.00, p ＝ 0.02)、wellbeing (3.0 → 4.4, p ＜ 0.001)、学業への関与(3.85 → 4.52, p ＝ 0.02)、コミュニケーション (3.75 → 4.3, p ＝ 0.04)に関連する領域で有意な改善を認めた。
結論：本研究では、医学生のwellbeingと専門性の向上にインプロがプラスの効果をもたらすことを実証したパイロット・スタディについて述べ、今後の学生のwellbeingに関するインプロの研究と、前臨床カリキュラムへの導入のための基礎を築いた。
