Herzog LS, Wright SR, Pennington JJ, Richardson L. The KAIROS Blanket Exercise: Engaging indigenous ways of knowing to foster critical consciousness in medical education. Med Teach. 2021 Aug 7:1-7. Epub ahead of print.
背景:タートルアイランド(北米)の先住民は、植民地化の影響や先住民に対する根強い人種差別に関連して、現在も健康格差を抱えている。将来の臨床医を教育して批判的な意識を身につけさせることは、文化的安全性を図り、先住民の患者の医療体験を改善するための重要な手段である。本研究では、KAIROSブランケットエキササイズ (KBE)が批判的意識を育む能力を評価した。
方法:トロント大学の医学生213名がKBEに参加した。その後、174名の学生が、文化的安全性と批判的意識の概念を把握するためにデザインされたペーパー評価を行った。データは定量的および定性的な手法を用いて分析され、視点の変化を確認した。
結果:大多数の学生が、このエキササイズによって自分とは異なる背景を持つ人々に対する見方が変わったと報告し、回答の中には偏見、権力、特権に関するコメントが目立った。この変化は、対話を通じて批判的な反省を行うことと、先住民の歴史の複雑な社会政治的背景を明らかにすることが重要であると強調された。
結論:KBEに参加した医学生は、視点に変化があった。このことは、クリティカル・ペダゴジー (critical pedagogy)のためのカリキュラムの場を設けることが、批判的な意識を育み、最終的には省察的な実践と社会的行動を促すのに有効であることを示唆している。