医学教育研究者・総合診療医のブログ

医学教育、総合診療について気ままに綴ります。

Essential consultants' skills and attitudes (Willing CONSULT): a cross-sectional survey (BMC Med Educ 2021)

Matsuo T, Hayashi K, Uehara Y, Mori N. Essential consultants' skills and attitudes (Willing CONSULT): a cross-sectional survey. BMC Med Educ. 2021;21:366.

背景:疾患の診断や治療の多様化に伴い、コンサルテーションを介した多職種連携の重要性が増しているにもかかわらず、コンサルタントとしての重要な要素は明らかになっていない。本研究では、レジデントの視点からコンサルタントとして重要なスキルや態度を明らかにし、その後の教育的介入の優先目標とすることを目的とした。

方法:研究は、予備調査(2020年5月1日~14日)と本調査(2020年6月1日~14日)の2段階で行った。予備調査として、まず東京の聖路加国際病院の卒後1年目のレジデントを対象に、コンサルタントにとって重要なスキルや態度の種類について自由回答で質問した。重複回答を排除した結果、合計19のスキルと態度があった。2014年から2018年までに当施設で研修を終えたレジデントと、現在のレジデント(2019年から2020年)を対象とした本調査では、まず、人口統計学的特徴(性別、卒後教育年数、専門の種類)を尋ねた。そして、それぞれのスキルや態度がコンサルタントにとってどの程度重要かを回答してもらった。全19項目は、0(全く同意しない)から6(完全に同意する)までの7段階のリッカート尺度で採点した。質問項目の内部一貫性はCronbachのアルファ係数によって確認された。主成分分析と探索的因子分析を行った。

結果:調査対象者は107名(61.1%、潜在的参加者数175名)であった。卒後教育年数の中央値は4年(四分位範囲:2-5)で、64.5%が男性であった (n = 69)。コンサルタントにとって重要な7つの要素が特定され、Willing CONSULTと名付けられた。その内容は、(1) willingness(相談を受ける意欲)、(2) contact(相談者へのアクセスのしやすさ)、(3) needs(相談者のニーズへの配慮)、(4) suggestions and support(明確な提案・示唆の提供、患者へのフォロー、相談者への継続的なサポート)、(5) urgency(状況の緊急性を考慮し、適切に対応)、(6) learning opportunities(指導ポイントの提供)、(7) text(カルテの作成)であった。

結論:我々は、コンサルタントにとって重要なスキルと態度であるWilling CONSULTを提案する。