Hazrati H, Bigdeli S, Arabshahi SKS, Gavgani VZ, Vahed N. Visualization of clinical teaching citations using social network analysis. BMC Med Educ. 2021;21:349.
背景:臨床教育分野の先行研究文献を分析することは、この分野の傾向と将来の方向性を示す可能性がある。本研究では、ソーシャルネットワーク分析 (Social Network Analysis; SNA)により、臨床教育・医学教育の研究成果の共著ネットワークと科学的マップを可視化することを目的とした。
方法:1980年から2018年まで、PubMedを用いて、Scopus (Elsevier)、Web of Science (Clarivate Analytics)、Medline (NCBI/NLM)における系統的な検索戦略により、臨床教育に関する1229件の論文を特定した。データの可視化と分析には、Ravar PreMap、Netdraw、UCINet、VOSviewerの各ソフトウェアを使用した。
結果:調査結果によると、臨床教育のネットワークは、著者の共著ネットワーク(クラスタリング係数(CC):0.749、密度:0.0238)と国のコラボレーション(CC:0.655、密度:0.176)の結束力と密度が弱かった。中心性の指標については、共著ネットワークで最も影響力のある著者は米国の Rosenbaum ME であった(0.048)。さらに、米国、英国、カナダ、オーストラリア、オランダは、共同研究国ネットワークにおいて中心的な役割を果たしており、臨床教育の論文発表に参加した他の研究者と頂点の共著を持っている。著者の背景や所属を分析すると、医学分野の臨床研究者同士の共著は弱いことがわかった。臨床教育研究ネットワークでは19の主題クラスターが特定され、そのうち7つは臨床教育に期待されるコンピテンシーに関連し、3つは臨床教育スキルに関連していた。
結論:臨床教育のオーサーシップネットワークの結束力を高めるためには、新人研究者と他の研究者、特に臨床系の研究者との親密度やジオディスクパスが高い研究者との間の研究協力や共同執筆を改善することが不可欠である。この分野の知識ネットワークにおいて、高密度で強力なトポロジーに到達するためには、臨床家と臨床教育専門家の間の国際的・国内的な協力関係を促進する政策が必要である。また、臨床教育の新たな方向性として、人道的・臨床的推論をテーマ別に検討する必要がある。