医学教育研究者・総合診療医のブログ

医学教育、総合診療について気ままに綴ります。

Early career doctors' experiences of psychiatry placements: A qualitative study (Med Teach 2021)

Stott J, Haywood J, Crampton P. Early career doctors' experiences of psychiatry placements: A qualitative study. Med Teach. 2021 Jun 17:1-7. Epub ahead of print.

背景:英国のjunior doctorは、MDを取得すると、2年間のFoundation Programmeを受ける。2016年以降、Foundation Programmeの医師の45%は、ファウンデーション・トレーニング中に精神科の実習を行うことが求められている。この間、コア精神科研修への採用は変動しており、2017年には69%の充足率まで低下した。

方法:Royal College of Psychiatrists、Health Education England、英国Foundation Programme事務局の協力を得て、半構造化フォーカスグループを活用した大規模な研究を立案した。参加者の経験を探ることで、精神科ファウンデーション・プレイスメントがどのような価値があるのか、そして研修生がキャリアとして精神科を選択する際にどのような影響があるのかを理解することができる。データの分析にはフレームワーク分析を用いた。

結果:イングランドの10のファウンデーションスクールから74名の参加者が参加した。参加者の経験や認識は、「配属前」「配属中」「配属後」という3つの大きなテーマに分けられた。これらのテーマの中で、12のサブテーマが浮かび上がった。医師は、先輩からのサポートがあれば、独立性と責任感を重んじた。また、複数の分野にまたがるチームの一員として働くことに喜びを感じていた。しかし、スタッフの数、精神科に対する偏見、時間外勤務などの問題が明らかになった。

結論:精神科医としての専門性に対する配属前の認識と、研修生のキャリア選択における個人的な優先順位は、精神科配属経験に影響されていた。この結果は、精神科医の採用に重要な意味を持ち、実習の目的を設計・構築する際に考慮する必要がある。