医学教育研究者・総合診療医のブログ

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Development of Kampo(traditional Japanese medicine)e-learning program: evaluation of the flipped classroom for medical students (Med Educ Online 2021)

Ito A, Watanabe K, Fukuzawa Y, Mitani K, Fujimoto S, Matsuda T, Sugiyama K, Kitamura K, Ban N. Development of Kampo(traditional Japanese medicine)e-learning program: evaluation of the flipped classroom for medical students. Med Educ Online. 2021;26:1938504.

背景:2019年5月、the World Health Assemblyは、前例のない動きとして、国際疾病分類第11改訂版に伝統医学を含めることを承認した。日本では、伝統医学(通称:漢方)は政府によって規制されており、国民健康保険制度の下で、90%以上の医師が現代医学とともに処方している。漢方教育は、日本のコア・メディカル・カリキュラムに含まれる必要があるが、実施には大きな課題がある。教育的な背景では、近年、反転授業という教授法が注目されている。本研究では、漢方e-learningプログラムを開発し、漢方e-learningを用いた反転授業の有効性を検証した。

方法:漢方eラーニング委員会では、3つのコースを決定し、それぞれに管理者を配置した。管理者は、漢方e-learningの授業を展開する講師を任命した。医師、薬剤師、医学生、薬学生にe-learningに参加してもらい、終了後に感想や意見を集めた。反転授業は、日本の慶應義塾大学医学部の4年生を対象に、漢方セッションで漢方e-learningを実施して評価した。ボランティアの提案に基づく4つのコースを含む7つのコースが作成さた。「体系的な漢方カリキュラム」では、54人の漢方専門家が開発した88のレッスンが用意された。

結果:反転授業に参加した医学部4年生118名のうち、113名が漢方eラーニングプログラムに登録し、100名がセッションに参加し、88名がセッション後のアンケートに回答した。アンケートに回答した学生のうち、86.4%が反転授業に満足し、79.5%が「漢方を理解できた」と回答し、80.7%が「採用すべき」と回答した。

結論:漢方eラーニングプログラムを用いた反転授業は、1つのメディカルスクールにおいて魅力的なものであることが示された。漢方学習の反転授業の有用性を明らかにするためには、近い将来、さらに拡大した研究が必要である。