医学教育研究者・総合診療医のブログ

医学教育、総合診療について気ままに綴ります。

A guide for evaluation of online learning in medical education: a qualitative reflective analysis (BMC Med Educ 2021)

Wasfy NF, Abouzeid E, Nasser AA, Ahmed SA, Youssry I, Hegazy NN, Shehata MHK, Kamal D, Atwa H. A guide for evaluation of online learning in medical education: a qualitative reflective analysis. BMC Med Educ. 2021;21:339.

背景:Covid-19の登場により、遠隔学習への前例のない急速なシフトが世界中で起こり、オンライン学習へのパラダイムシフトが、機関の補助的な豪華パッケージと学習者の選択から、強制的な単独選択へと変化した。このことは、品質保証の問題を提起している。いくつかのグループは、すでにオンラインコース、教育、プログラムの基準を確立しているが、その開発の方法論に関する情報はほとんど含まれておらず、オンラインでの学習体験にはほとんど重点が置かれていない。それにも関わらず、医学教育機関に特化した作業は行われていない。本研究の目的は、既存の専門知識とニーズを活用して、医学教育におけるオンライン学習のベストプラクティスの記述子を開発することである。

方法:本研究では、オンライン学習におけるベスト・プラクティスの記述子を特定するために、質的な多段階アプローチを採用した。まず、質問ガイド付きのフォーカス・グループ、テーマ分析、デルファイ法、トライアンギュレーションのための専門家によるコンセンサス・セッションを同時に行った。これは、19カ国の32機関を対象に行われた。

結果:一連の基準、指標、各基準分野のチェックリストの作成が具体化された。基準分野は、組織能力、教育効果、人材で、それぞれで多くの基準が挙げられた。専門家によるコンセンサス・セッションでは、データの質を高める必要性が指摘され、ベスト・プラクティスの指標を開発することになった。

結論:オンラインでの学習体験には基準が必要であり、その開発と再設計は状況に応じて行われ、教育コミュニティのニーズに関連した軸で方法論的に強化される必要がある。教育者や教育機関がこのような軸を考慮することは、オンライン学習活動の計画と実施を成功させることにつながり、一方で、評価者がこのような軸を考慮することは、包括的な監査を行い、利害関係者に非常に有益な評価報告書を提供することにつながる。