医学教育研究者・総合診療医のブログ

医学教育、総合診療について気ままに綴ります。

The role of undergraduate medical students training in respect for patient confidentiality (BMC Med Educ 2021)

Beltran-Aroca CM, Ruiz-Montero R, Labella F, Girela-López E. The role of undergraduate medical students training in respect for patient confidentiality. BMC Med Educ. 2021;21:273.

背景:プロフェッショナルとしての誠実さを奨励することは、質の高い医療と教育において卓越した基準を提供し、尊敬と責任の文化を促進するために不可欠である。この研究の主な目的は、スペインにおける患者のプライバシー権に対する医学生の関係を、特に患者の臨床履歴(CHs)にアクセスするための条件を分析することによって研究することであった。

方法:スペインの41の大学の最終学年の学生に電子メールで送られたアンケートをもとに、横断的な研究が行われた。アンケートは、14の多肢選択式および閉鎖式の質問で構成され、3つの大きなブロックに分かれていた。最初の質問は、プライバシーの権利と守秘義務に関する基本的な一般知識を問うものであった。残りの2つのブロックは、学生の患者への対応に関する特定の要件や行動手順が実行される頻度を評価するための質問と、紙と電子カルテの両方で患者のCHsにアクセスして取り扱うことに関連する保証に関する質問で構成されていた。

結果:合計245件の有効な回答が得られた。参加者の67.8%は女性で、平均年齢は24.05±3.49歳であった。90.6%までがCHsのデータに機密性が影響することを認識していたが、43.3%が患者の臨床レポートの匿名化されていないコピーを外部に所有しており、49.8%の学生のみが常に適切に識別されていた。また、合計59.2%が医療従事者のパスワードを使用して患者のCHsにアクセスしたことがあり、そのうち77.2%が患者の明示的な同意を得ておらず、71.9%が匿名化されていないCHsにアクセスしていた。

結論:医療機関や大学の役割は、医療従事者や学生がCHsを使用することで生じるリスクや倫理的・法的問題に関する教育措置を実施することが基本であると考えられる。そのためには、臨床例を分析し、患者の機密性が問われる状況に直接触れることで、医療倫理を徹底的に学ぶ必要がある。