医学教育研究者・総合診療医のブログ

医学教育、総合診療について気ままに綴ります。

Professional identity formation of medical teachers in a non-Western setting (Med Teach 2021)

Wahid MH, Findyartini A, Soemantri D, Mustika R, Felaza E, Steinert Y, Samarasekera DD, Greviana N, Hidayah RN, Khoiriyah U, Soeselo DA. Professional identity formation of medical teachers in a non-Western setting. Med Teach. 2021 May 14:1-6. Epub ahead of print.

背景:医学系教員のプロフェッショナル・アイデンティティ形成(PIF)を理解し支援することは、教員育成プログラムにおいてますます重要になってきている。本研究では、インドネシアにおける医学系教員のPIFについて調査した。

方法:本研究では、インドネシアの4つのメディカルスクールにおいて、フォーカスグループディスカッション (FGD)を用いた質的記述研究を行った。4つの異なる学校から基礎科学と臨床の教師を選んで参加させた。データは逐語録化され、コード化され、分析され、テーマとサブテーマが作成された。

結果:17回のFGDが行われ、60人の基礎科学の教師と59人の臨床教師が参加した。医学部教員のプロフェッショナル・アイデンティティの形成に関する4つの主要なテーマが浮かび上がった:内発的な価値観と外部からの影響との間の内面的な対話、早期の社会化によるエンパワーメント、職場での経験的な学習、そして将来の構想である。PIFのプロセスは、基礎科学の教員と臨床の教員で類似していた。

結論:今回の調査結果から、非西洋圏の医学教師のPIFは、宗教的信念、家族の価値観、社会的認知から大きな影響を受けながら、重要な社会化要因(ロールモデル、職場での学習、ピアサポートなど)によって形成される継続的かつダイナミックなプロセスであることが示唆された。教員育成プログラムでは、医学系教員のPIFの動的かつ継続的な性質を考慮し、臨床医や基礎科学者が自分の価値観や信念を探求し、目標を実現し、将来を思い描くことを奨励すべきである。