医学教育研究者・総合診療医のブログ

医学教育、総合診療について気ままに綴ります。

Interruptions to Attending Physician Rounds and Their Effect on Resident Education (J Grad Med Educ 2021)

Armendariz J, Tamayo C, Slade J, Belitskaya-Lévy I, Gray C, Allaudeen N. Interruptions to Attending Physician Rounds and Their Effect on Resident Education. J Grad Med Educ. 2021;13:266-275.

背景:毎日のattending rounds (AR)は、アカデミックヘルスセンターにおける教育と患者ケアの基礎となっている。ヘルスケアにおける中断はよくあることであり、エラーや不完全な業務、意思決定の正確さの低下などのリスクを引き起こす可能性がある。ARが中断されると、研修生の学習能力や情報保持能力が低下する可能性がある。本研究では、AR中に発生する中断を特徴づけ、定量化した。

方法:前向きな観察研究と質的研究を組み合わせた混合法によるデザインを用いた。2020年1月から3月にARを観察し、中断の特徴を明らかにした後、観察した医師に半構造化インタビューを行い、中断がワークフローに与える影響とラウンドの教育的価値を明らかにした。

結果:30回のARセッションの間に378件の中断が観察され、1回のラウンドセッションあたり平均12.6件 (範囲1~22、中央値13)の中断があった。中断の原因としてはベッドサイドの看護師が最も多く (25%)、中断のトピックとしてはコンサルタントの推奨が最も多かった (21%)。ほとんどの中断は患者のプレゼンテーション中に発生し (76%)、最も多かったやり取りの方法はテキストメッセージ (24%)であった。チームメンバーの多くは、中断による悪影響として、集中力の低下や重要な臨床情報の見落としなどを挙げていたが、一部のメンバーは、特定の中断が教育や臨床ケアにポジティブな効果をもたらしたと報告していた。internは、中断に対するネガティブな感情的反応を報告する傾向が強かった。

結論:ARは、様々な方法や情報源により、緊急性のない話題で頻繁に中断される。悪影響としては、集中力の低下、情報の見落とし、ストレスの増大などが挙げられる。中断を減らすためには、積極的なコミュニケーション、特に医師と看護師の間のコミュニケーションが必要であることが示唆された。