医学教育研究者・総合診療医のブログ

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Empathy and attitude toward communication skill learning as a predictor of patient-centered attitude: a cross-sectional study of dental students in Korea (BMC Med Educ 2021)

Lee M, Ihm J. Empathy and attitude toward communication skill learning as a predictor of patient-centered attitude: a cross-sectional study of dental students in Korea. BMC Med Educ. 2021;21:225.

背景:医学生の患者中心のケアの実践を高めることは、メディカルスクールの目標である。学生の人口統計学的要因や学業的要因を探るだけでなく、学生の患者中心の態度やコミュニケーションスキル学習への傾倒に影響を与える可能性のある他の態度や認識を明らかにすることが必要である。本研究は、韓国の歯科学生の患者中心の態度を評価し、学生の特性と共感性、コミュニケーションスキル学習態度、患者中心の態度との関連を明らかにすることを目的とした。

方法:データは横断的なオンライン調査によって収集され、312名の歯科学生が分析対象となった。調査対象者は、Patient-Practitioner Orientation Scale (PPOS)、Interpersonal Reactivity Index (IRI)、Communication Skills Attitude Scale (CSAS)に回答。解析は、独立サンプルのt検定、階層的多変量回帰、ANOVA(post-hoc Tukey test付)を用いて行った。

結果:学生は、PPOSスコアのSharingサブスケールに中程度の患者志向を持ち(M = 3.78, standard deviation [SD] = 0.54)、PPOSスコアのCaringサブスケールにやや患者中心的な態度を持つ傾向があった(M = 4.41, SD = 0.52)。女性であること、歯科医院での学業期間が短いことは、患者中心のケアに対する態度と関連していた。また、「共感」と「コミュニケーションスキル習得への積極性」も患者中心の態度と関連しており、共感の中でも「共感的関心」が患者中心の態度に最も大きな影響を与えていた。

結論:性別、学歴、共感性、コミュニケーションスキルの習得に関する態度は、患者中心の態度の重要な影響因子であった。患者中心の態度は教えることができるし、教えなければならない。教育プログラムでは、共感性を高めること、コミュニケーションスキルの習得に対する積極的な姿勢を強調すること、そして学生が学業期間の増加に伴って患者中心の姿勢を崩さないようにするためのフォローアップ教育を行うことに重点を置くべきである。