医学教育研究者・総合診療医のブログ

医学教育、総合診療について気ままに綴ります。

Exploring patient experiences in the student outpatient clinic - A contribution to learning (Patient Educ Couns 2021)

Kjær LB, Ilkjær C, Hoffmann T, Hjortdal V, Christensen MK. Exploring patient experiences in the student outpatient clinic - A contribution to learning. Patient Educ Couns. 2021 Mar 24:S0738-3991(21)00195-6.

背景:学生との出会いへの参加を、患者がどのように経験しているかを理解すること。

方法:学生外来クリニックでの自主的な術後相談に参加した心臓外科患者10名に、質的半構造化電話インタビューを行った。インタビューガイドには、教育の場に参加した理由や経験についての質問が含まれていた。インタビューは帰納的テーマ分析により分析され、各インタビューのテキストには異なるコードが割り当てられ、テーマに凝縮された。

結果:患者は、学生相談に参加する理由として、二面性を表現した。すなわち、1) 個人的な保証(安全)の必要性と、2) 学生を助けたい(利他)という2つの理由であった。学生はプロとして認識されており、時には不安を感じていた。教育の場に参加することは、患者にとって客観視されているとは感じられなかったので、患者にとって有意義なことであった。スーパーバイザーのバックアップがあることを知っていると、たとえスーパーバイザーがコンサルテーションのすべての部分にいなくても、患者は安心していた。

結論:患者は安全性を体験し、コンサルテーションのすべての部分で自分の役割を理解し、学生の学習を助けたいという願いを共有していた。学生主導のスーパービジョンとスーパーバイザー主導のスーパービジョンを交互に行う逐次診察モデルは、学生の自主性と患者の安全性のバランスをとることができる。この知見は、今後の学生クリニックにおける患者中心の医学教育の指針となるだろう。