医学教育研究者・総合診療医のブログ

医学教育、総合診療について気ままに綴ります。

"We're All Time Poor": Experienced Clinicians' and Students' Perceptions of Challenges Related to Patient Communication (Teach Learn Med 2021)

Gilligan C, Brubacher SP, Powell MB. "We're All Time Poor": Experienced Clinicians' and Students' Perceptions of Challenges Related to Patient Communication. Teach Learn Med. 2021 Mar 31:1-12. Epub ahead of print.

背景:コミュニケーションは、臨床現場において複雑かつ不可欠な要素である。コミュニケーションスキルは教えたり学んだりすることができることは広く認められているが、患者との効果的なコミュニケーションを実現するためには、臨床家にとって課題が残されている。本研究では、医学生と経験豊富な臨床医が直面する患者とのコミュニケーションに関する課題を調査した。

方法:20名の医学生と19名の様々な分野の経験豊富な臨床医に対して、半構造化インタビューを行った。インタビューは録音され、逐語録化され、議論された課題を定量化するためにテーマ分析とコーディングが行われた。

結果:両グループの参加者が説明した課題には顕著な一貫性があり、次の8つの主要な課題が特定された:時間的制約と混沌とした環境、信頼関係の構築、患者の特徴、消極性、省略、仮定、意思決定、会話の焦点維持。

結論:医学教育では、複雑でデリケートな臨床状況に伴うコミュニケーションの課題に焦点が当てられることが多いが、今回指摘された課題の多くは、日常的な診察で発生するものである。卒前および卒後の医療研修では、学生や臨床家が研修の初期段階からこれらの課題に対処するスキルを身につけるための戦略を採用すべきである。