医学教育研究者・総合診療医のブログ

医学教育、総合診療について気ままに綴ります。

Benefits of EPAs at risk? The influence of the workplace environment on the uptake of EPAs in EPA-based curricula (Perspect Med Educ 2021)

van Loon KA, Bonnie LHA, van Dijk N, Scheele F. Benefits of EPAs at risk? The influence of the workplace environment on the uptake of EPAs in EPA-based curricula. Perspect Med Educ. 2021 Mar 31. Epub ahead of print.

背景:Entrustable Professional Activities (EPAs)は、多くの卒後医学教育 (postgraduate medical education; PGME)プログラムで異なる形で適用されているが、このばらつきの理由と結果はあまり知られていない。
・我々の目的は、EPAsの取りこみが職場環境によってどのように影響されるか、また、EPAsの取りこみが影響されたときにEPAsを扱うことの利点がどの程度危険にさらされるかを調査することである。本研究の知見は、カリキュラムにEPAsを適用しようと考えているカリキュラム開発者が活用できるものとなりうる。

方法:この質的研究では、4つのPGMEプログラムを選択した。総合診療科、臨床老年科、産婦人科放射線科・核医学科である。AMEE Guide for developing EPA-based curriculaおよび関連するEPAに基づく文献を参考に、国家研修計画の文書分析を行った。また、カリキュラムの策定に具体的に関与した専門医へのインタビューを実施した。内容分析を行い、EPAsの取りこみにばらつきがある理由を明らかにした。

結果:EPAsの取りこみのばらつきの大部分は、患者層、医療制度における医師の役割、研修プログラムが実施される地域の医療機関の体制などの環境要因によって説明することができる。また、EPAsの取りこみのばらつきは、EPAsの数と幅、およびPGMEプログラム内でのentrustment decisionの実行方法に具体的に反映されている。

結論:EPAsの導入状況にばらつきがあるため、研修生が研修プログラム中に独立して仕事をする機会が難しいかもしれない。EPAsはPGMEプログラムのカリキュラムに有意義に導入することができるが、それは EPAの質が評価され、将来の利用者が開発に関与し、EPAsの重要な特徴(委託決定)が保持されている場合に限られる。