医学教育研究者・総合診療医のブログ

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Faculty's attitudes and perceptions related to applying motivational principles to their teaching: a mixed methods study (BMC Med Educ 2021)

Snook AG, Schram AB, Jones BD. Faculty's attitudes and perceptions related to applying motivational principles to their teaching: a mixed methods study. BMC Med Educ. 2021;21:188.

背景:faculty developmentの専門家が、教育責任に対する教員の態度や、教育効果に対する障害と思われるものを評価するのは珍しいことである。本研究の目的は、(a)動機付けの原理の適用に関する教員の態度と実践を記録すること、(b)これらの態度と実践を形成する可能性のある認識された文脈的要因を特定することである。

方法:逐次説明的混合法デザイン (sequential explanatory mixed methods design)を用いた。教員 (n=272、回答率32%)を対象に、MUSIC Model of Motivationの一部である5つのモチベーション原則(eMpowerment、Usefulness、Success、Interest、Caring)に対する責任とその適用について調査した。違いを検出するため、反復測定ANOVAとStudent's t-testを計算した。続いて、教員による2つのフォーカスグループ (n = 11)で、調査結果を解釈した。テーマ分析を行い、フォーカスグループの結果を用いて調査結果を説明した。

結果:教員は、「Usefulness」、「Interest」、「Caring」に関する原理を適用する責任を、「Success」や「eMpowerment」よりも有意に高く評価していた。また、ほとんどの教員が過去1年以内にUsefulness、Interest、Caringの各戦略を実際に適用したと回答したのに対し、Successの戦略を適用した教員は半数以上、eMpowermentの戦略を適用した教員は約3分の1であった。
フォーカスグループの参加者は、eMpowerment戦略 (例:選択肢の提供)を適用する能力に影響を与える要因として、一般的なスキル (例:批判的思考、問題解決)を持たない学生、eMpowerment戦略を実施して学生のニーズを満たすことができるという自信のなさ、受動的な学生、大規模な講義型コースなどを挙げた。フォーカスグループの参加者は、Success戦略 (フィードバックの提供など)を実施するうえでの障害として、大規模なコースでフィードバックを提供することの難しさ、時間やアシスタントティーチャーの不足、テクノロジーに関する限られた知識、効果的な学生の相互フィードバックを導くためのスキルの不足などを挙げていた。

結論:教員は、ある種の動機付け戦略を実施するために十分な準備ができているように見えるが、他の戦略についてはそうではない。この一部は、教員の態度や、最終的にはこれらの戦略の適用に影響を与える可能性のある文脈上の要因によるものである。これらの要因が、動機付け戦略の態度や適用にどのように影響するかを考察し、結果に基づいた提案を行う。