医学教育研究者・総合診療医のブログ

医学教育、総合診療について気ままに綴ります。

An outpatient telehealth elective for displaced clinical learners during the COVID-19 pandemic (BMC Med Educ 2021)

Weber AM, Dua A, Chang K, Jupalli H, Rizwan F, Chouthai A, Chen C. An outpatient telehealth elective for displaced clinical learners during the COVID-19 pandemic. BMC Med Educ. 2021;21:174.

背景:COVID-19パンデミックを受けて、メディカルスクールは臨床ローテーションを中断した。このように医学生が病棟から離れることで、経験学習 (experiential learning)が制限されている。同時に、外来診療では対面診療の量が減り、バーチャル・ヘルスケアへの移行が進んでいるが、この移行には物流面での課題が伴う。本論文では、医学生が有意義な臨床教育を行いながら、ある機関の外来診療が遠隔地からの遠隔医療を実施するのを支援するためのワークフローを記述する。

方法:4週間のvirtual electiveは、臨床学習者がバーチャル遠隔医療患者との面会に参加できるようにデザインされた。学生はEMRのトレーニングを受け、外来settingの医療従事者をサポートする新しいワークフローを紹介された。患者は医学生との出会いの前に、遠隔医療サービスに同意していた。収集したすべての臨床情報はEMRに記録され、その後、学生は患者をDoxy.meのバーチャルビデオ予約に移行させた。学生の参加による臨床的・教育的成果を評価するために、調査が行われた。また、electiveの評価と学生の反省点も収集した。

結果:調査の結果、学生は患者との出会いを始める準備ができていると感じていた。学生は遠隔医療の予約時にバーチャルに患者と関わることに安心感を示していた。学生は臨床教育上の価値を認識しており、対面での経験と同じように患者管理プランを作成する機会があると述べた。また、学生の参加により、医療上の大きな負担が軽減された。予定されていた合計1000件以上のアポイントメントは、学生によって処理され、80%以上の患者がバーチャルな主治医の待合室に移動した。

結論:このelectiveを4年生で試験的に実施した後、臨床実習前の学生も募集し、通常の臨床学習者に付随する役割を担ってもらった(例:患者の病歴を聞き出す、システムレビューを行うなど)。さらに、医学生がCOVID-19にさらされるリスクなしに患者の治療に貢献できるよう、遠隔医療のelectiveを追加設計している。このような取り組みにより、学生はパンデミックの間も臨床教育を続けることができる。医学教育者は、進化する遠隔教育のニーズに合わせて、同様のワークフローを採用することができる。