医学教育研究者・総合診療医のブログ

医学教育、総合診療について気ままに綴ります。

Reflecting on professional identity in undergraduate medical education: implementation of a novel longitudinal course (Perspect Med Educ 2021)

Désilets V, Graillon A, Ouellet K, Xhignesse M, St-Onge C. Reflecting on professional identity in undergraduate medical education: implementation of a novel longitudinal course. Perspect Med Educ. 2021 Mar 9. Epub ahead of print.

背景:今日、医療従事者は多くの課題に直面している。省察スキルを向上させることは、複雑な患者や医療システムのより良い管理に貢献する可能性があるだけでなく、専門的な実践を向上させることにもつながりうる。しかし、卒前の医学教育レベルでは、省察スキルがどのように専門家としてのアイデンティティ開発に役立つのかという疑問は、まだ解決されていない。

アプローチ:著者らは、学生を省察プロセスに参加させ、自分の専門家としてのアイデンティティ形成に対する意識を高めることを目的としている4年間のコースを開発し、実施した。このコースは、ワークショップ、電子ポートフォリオに記録された省察、メンターとの個別ディスカッションという3種類の教育的活動を中心に構成されている。

評価:2017-2018年のコホートでは、1年生64名(33%)、メンター17名(50%)が評価アンケートに回答した。2018-2019年は、1年生73名(34%)、2年生27名(14%)、および1年生20名(59%)、2年生19名(57%)のメンターが回答した。学生とメンターは、教育学的活動が、省察の習得を通じて学生の専門家としてのアイデンティティ形成に貢献していると考えていたが、いくつかの要素が困難であると認識されていた。特に、ポートフォリオの完成、省察する対象の発見、提案された活動のタイミングなどが挙げられた。

省察省察スキルを身につけることで専門家としてのアイデンティティを育むためには、学生の省察が本物であるかどうかが重要な関心事となる。私たちは、4年間のコース全体を通してメンティー・メンターのペアを組むことで、本物の省察を実現しようとした。また、厳格な評価プロセスにより、問題が顕在化した場合は速やかに修正することができた。