医学教育研究者・総合診療医のブログ

医学教育、総合診療について気ままに綴ります。

Gaining interprofessional knowledge and interprofessional competence on a training ward (Med Teach 2021)

Mette M, Baur C, Hinrichs J, Narciß E. Gaining interprofessional knowledge and interprofessional competence on a training ward. Med Teach. 2021 Mar 2:1-14. doi: 10.1080/0142159X.2021.1885638. Epub ahead of print. PMID: 33651970.

背景:2017年以降、ドイツでは多職種連携研修病棟 (interprofessional training wards)が設置されている。これらの病棟では、様々な医療専門職が協力して、バックグラウンドからのファシリテーターが監督する患者ケアを提供している。我々は、マンハイムの多職種連携研修病棟MIAへの強制配置後に報告された多職種連携知識と多職種連携能力の向上を調査した。また、これらの知識と能力のレベルをコントロール群と比較した。

方法:この準ランダム化比較試験では、質問紙を用いて多職種連携学習のアウトカムに関する自己申告データを収集した。実験群とコントロール群との間で、(a) 実験群のテスト前・後のデータ、(b) 多職種連携の知識と能力のレベルを比較するためにt検定を用いた。

結果:MIAの参加者は、研修病棟に配置されている間に多職種連携の知識と能力が有意に増加していることを認識していることが確認された。また、MIA参加者はコントロール群に比べて、多職種連携の知識と能力のレベルが有意に高かったと報告した。

結論:多職種連携研修病棟での実習は、実際の患者ケアのなかで多職種連携を体験し、実践することを可能にする。将来の医療従事者が多職種連携チームのなかで専門的な役割を担い、可能な限り最高の患者ケアを提供できるように準備するのに役立つ。