医学教育研究者・総合診療医のブログ

医学教育、総合診療について気ままに綴ります。

The impact of death and dying on the personhood of medical students: a systematic scoping review (BMC Med Educ 2020)

Ho CY, Kow CS, Chia CHJ, Low JY, Lai YHM, Lauw SK, How AEH, Tan LHE, Ngiam XLL, Chan NPX, Kuek TYJ, Kamal NHA, Chia JL, Abdurrahman ABHM, Chiam M, Ong YT, Chin AMC, Toh YP, Mason S, Krishna LKR. The impact of death and dying on the personhood of medical students: a systematic scoping review. BMC Med Educ. 2020;20:516.

背景:COVID-19 pandemicに苦闘する医療システムに医学生を再導入することは、資源が限られた環境で死や死にかけている患者に直面し、上級臨床医からのサポートが減少しているなかで、医学生がサポートされるかどうかについての懸念を、提起している。医学生が死や死にかけている患者に対してどのように反応しているかについてよりよく理解することは、教育者および臨床家に対して、医学生にベストなサポートをする方法について情報提供することになるだろう。

方法:死および死にかけている患者が医学生に与える影響に関するSystematic Scoping Reviewを行うために、Krishna (クリシュナ)のSystematic Evidence Based Approach (SSR in SEBA)を採用した。この構造化された検索プロセス、6つのデータベースからのデータのテーマ分析 (thematic analysis)・指向性内容分析 (directed content analysis)の同時使用により (Split Approach)、本レビューの透明性・再現性が向上した。

結果:7619件の文献がヒットし、149件の文献をレビューし、52件の文献が含まれた。Split Approachによって、Ring Theory of PersonhoodのInnate, Individual, Relational, Societalのドメインに対応する同様のテーマとカテゴリーが明らかになった。

結論:死や死にかけている患者と遭遇することは、医学生が自身の人間性 (personhood)をどのようにイメージするかに影響を与える。このことは、直面している問題を早期に解決するためには、タイムリーで全体的かつ長期的な支援システムが必要であることを強調している。そのためには、効果的な訓練と構造化された支援メカニズムが必要である。

個人的所感:

COVID-19下の医学生の学習についてのリサーチ。Krishna (クリシュナ)のSystematic Evidence Based Approach (SSR in SEBA)とRing Theory of Personhoodが気になったので、本文の説明の該当箇所だけ抜き出しておきます。
・Krishna’s SEBA consists of five stages – the Systematic Approach, Split Approach [38, 39], Jigsaw Perspective, Funnelling and SSR in SEBA Synthesis. This process is outlined in Fig. 1.
・The concept of personhood or “what makes you, you” put forth by Krishna and Alsuwaigh’s RToP may be described in terms of four domains represented by the Innate, Individual, Relational and Societal Rings (Fig. 2).