Fernandez SB, Clarke RD, Sheehan DM, Trepka MJ, Rose SM. Perceptual Facilitators for and Barriers to Career Progression: A Qualitative Study With Female Early Stage Investigators in Health Sciences. Acad Med. 2020 Dec 22. Epub ahead of print.
背景:
・全国の科学者労働力に占める女性の割合を高める努力をしているにも関わらず、結果はまだ遅れている。健康科学関連における女性の代表は大幅に増加しているが、女性指導者の役割においては、女性の存在感は依然として不足している。
・本研究では、より多様なリーダーシップを促進し維持することを目的に掲げ、女性の研究キャリアの発展を阻み促進する要因として、個人レベル、対人レベル、組織レベル、社会レベルでの影響を明らかにすることを目的として実施された。
方法:
・著者らは、2018年にフロリダの大規模なマイノリティサービス期間で健康科学研究のキャリアを追求する15名の処世初期研究者に、個別に1時間の綿密な半構造化インタビューを行った。インタビューガイドは、多層的なシステムの影響を理解するため、社会生態学的フレームワークを用いて設計された。現象学的な観点から質的アプローチを採用し、2名の研究者が、各々独立して、トランスクリプトをコード化し、広いテーマへとコードを合成した。
結果:
・阻害要因、促進要因は、探索された全ての生態学的レベルで報告された。例示的な引用では、キャリアの発展と競合する家族責任の不平等な配分、研究キャリアの要求に対する家族の理解位不足、女性メンターの重要性、研究機関における女性教員と男性教員との役割と期待の違い、早期のキャリア昇進に影響を与える規範的な価値観を反映している。
結論:
・研究におけるジェンダーの公平さ (gender equity)に向けた広範で持続的な変化を達成するためには、科学分野における女性の進歩への、多層的、明示的・暗示的な影響に対処するための解決策が必要である。我々の提案は、家族・組織の規範をシフトすること、女性に女性メンターをつける支援システムをつくること、教員の役割と期待に関する一貫した政策を実施することである。本研究の知見は、女性の経験の文脈を提供することでキャリア昇進へのジェンダーの影響に光を当て、また、科学者の労働力における女性の昇進を妨げている不公平を維持している広範な社会的・構造的なシステムに対処することの重要性を強調している。