Curran VR, Fairbridge NA, Deacon D. Peer assessment of professionalism in undergraduate medical education. BMC Med Educ. 2020;20:504.
背景:専門職としての行動を養成することは医学教育のなかでますます重要になっており、プロフェッショナリズムの評価への非伝統的なアプローチは、学生の専門職としての行動の獲得をより全体的に表現することができるかもしれない。新たなエビデンスによると、ピア評価が、プロフェッショナリズム評価の代替の方法としての可能性を示唆している。我々は、自施設の卒前医学教育カリキュラムの臨床実習前の段階で、プロフェッショナリズムのピア評価を導入し、学生の成長を縦断的に追跡するためのプロフェッショナリズム行動尺度を採用することの妥当性、ピア評価に対する学生の快適性と受容性を評価した。
方法:ピア評価が、妥当性の担保されたプロフェッショナル行動尺度を用いて導入された。学生は、スモールグループの臨床技術学習活動の同僚から、繰り返しの縦断的評価を受けた。電子評価システムを使用して、ピア評価を集め、照合し、学生にレポートを提供した。学生のピア評価に対する意見を事前にはじめに調査し、採用した尺度の確認分析を行い、ピア評価のプロセスに対する満足度を探るために学生を対象に調査を行った。
結果:カリキュラムの全ての段階の学生が、当初、スモールグループ学習セッションを使用した匿名のピア評価を支持していた。ピアスコアは時間経過で改善したが、増加の程度は、採用した尺度による天井効果により制限された。学生はプロフェッショナル行動尺度は使用・理解するのに簡単だと同意したが、多数の学生が、ピア評価がプロフェッショナリズムの理解を改善することや有益な学習経験であるということに反対した。
結論:プロフェッショナル行動のピア評価は、学生を、自分の同僚を評価するというプロセスに晒したが、医学教育の初期段階でそのプロセスの評価を行うことは、完全には認識もされず、評価もされていないのかもしれない。ピア評価を実施するのに電子媒体を使用することは、ピアフィードバックを集め報告するにあたって、実現可能性がある。時間経過でピア評価スコアが改善したが、学習的価値についての学生の意見はまちまちで不明確であった。