医学教育研究者・総合診療医のブログ

医学教育、総合診療について気ままに綴ります。

A National Curriculum to Address Professional Fulfillment and Burnout in OB-GYN Residents (J Grad Med Educ 2020)

Winkel AF, Tristan SB, Dow M, Racsumberger C, Bove E, Valantsevich D, Woodland MB. A National Curriculum to Address Professional Fulfillment and Burnout in OB-GYN Residents. J Grad Med Educ. 2020;12:461-468.

背景:residentがバーンアウトに高い割合で悩まされているため,医師のwell-beingは卒後医学教育の優先事項である.臨床環境には複雑なストレス要因が影響しており,公式カリキュラムがresidentのwell-beingを改善するかどうかについては,相反するエビデンスが存在する.本研究では,産婦人科residentを対象とした1年間のwellnessカリキュラムの全国的な試験的実施の実現可能性と影響を評価した.

方法:The Council on Resident Education in Obstetrics and Gynecology Wellness Task Forceは,25個の産婦人科プログラムから成る全国多施設パイロットグループであり,今回の前向きコホート研究に参加した.カリキュラムは,教則時間中に配布される統一教材を使用した,6個の対話型wellnessワークショップであった.カリキュラムへの参加前後で,residentは,統計的情報とProfessional Fulfillment Indexを含む調査票に回答した.

結果:対象者592名のうち,492名 (72%)がプレテストに,387名 (65%)がポストテストに参加した.回答者の平均年齢は29.1歳 (24-52歳)であり,350名 (82%)が女性,79名 (18%)が男性であった.ベースラインでは,540名中254名 (47%)がバーンアウトの基準を満たし,101名 (23%)が職業的充実感の基準を満たしていた.residentは平均3.9回のワークショップに参加した.ポストテストの総得点はベースラインと差はなかったが,4-6回のワークショップに参加したresidentではバーンアウトの割合 (40% vs 50%, p = 0.017)および職業的充実感 (28% vs 20%, p < 0.001)の割合が改善した.

結論:wellnessカリキュラムは,全国のプログラムで,産婦人科研修プログラムのカリキュラムに追加することが可能であった.出席率の高いresidentは,職業的充実感の改善およびバーンアウトの減少を経験した.