医学教育研究者・総合診療医のブログ

医学教育、総合診療について気ままに綴ります。

Can concept mapping support the quality of reflections made by undergraduate medical students? A mixed method study (Med Teach 2020)

Sieben JM, Heeneman S, Verheggen MM, Driessen EW. Can concept mapping support the quality of reflections made by undergraduate medical students? A mixed method study. Med Teach. 2020 Dec 5:1-9. Epub ahead of print.

背景:学生は,省察的記述を難しいと認識している.コンセプトマッピング省察の代替フォーマットである可能性があり,学生は自由に自らの思考を形にすることができ,サポートを提供することができる.本研究で我々は,(1) 医学部1年生が作成した省察的コンセプトマップにおける省察の質と,(2) 省察のツールとしてのコンセプトマッピングに対する学生の認識について,検討した.

方法:オランダのマーストリヒト大学の医学部カリキュラム内で行われた混合研究 (mixed-method study)である.(1) 40人の医学部1年生によって作成された245個の省察的コンセプトマップの質を解析した.省察の質は,省察の焦点 (技術的/実践的/感化)と省察の深さ (記述/正当化/批判/議論)を評価することで分析した. (2) 認知された省察的コンセプトマップの有効性を評価するために,22名の学生との半構造化面接を行った.

結果:省察の深さは,82%のマップで少なくとも批評レベルに達していた.3つの要因が,省察のためのコンセプトマップの認知された有効性に影響を与えているように見えた.すなわち,(1) 省察的コンセプトマップの構造, (2) 実践上の意義のある経験への注意力, (3) 実践による学習である.

結論:本研究の結果より,コンセプトマップが,初心者の学習者に効果的省察の基礎を教えるのに有用な技術であることを裏付ける証拠が得られた.有意義な実践のためには,支援的な構造を提供することと,学生に柔軟性を持たせることとの間の微妙なバランスが必要である.